2015年6月14日日曜日

びわこ

高エネルギー春の学校という、高エネルギー実験に関わる大学院生や教員が集う勉強会があった。場所は琵琶湖がすぐそこの研修施設で、ここに2泊しながら講義と研究発表を聞いていた。僕自身も2日目にポスター1枚で研究紹介をした。

1ヶ月前の時点では、物理的モチベーションすら十分に理解できてなくて、とても発表できるレベルじゃなかった。同じ立場の多数の学生に見られるというプレッシャーが、僕を強く焦らせた。

とりあえず今までに飛び飛びでしか目を通していなかった論文を読み直した。参考文献のアブストで意味が満足にわからなければ本文も初めから読むなど、さらに丁寧に読んだ。複数の論文で共通する部分があれば、特に丁寧に理解しようとした。

それでも自信がないときは、恥を忍んで先輩や先生に質問した。やっぱり忙しそうな雰囲気を感じながらも、自分のことを最優先させてもらった。その場で迷惑を避けているようでいて、結局大迷惑をかけたのが卒業発表だったから。

以前は、論文などで使えそうな情報を見たとき、ルーズリーフを使ってメモを取ったり、Evernoteの別々のメモとして保存したりしていて、あちこちに知識を散在させていた。そうすると、1つの事実を見たときに、それが既知であるかどうかを考えたりその根拠を辿ったりすることに割く労力が大きく、論文を読む効率がかなり悪かった。

そこで、あとから参照する地点を明確・コンパクトにすることにした。短い情報は1つのノートにまとめ、ばらばらにあった複数枚のノートには番号をつけて、インデックスを作った。例えば、以前に読んだ論文の要旨を確認したいときは、インデックスを見てその番号のノートを取り出せばいい・・・書いてみると当たり前だ。

そんなことをしてはきたが、ポスターは結局、作成に取り組み始めたのが3日前、先生に内容を確認してもらったのが出発の前日、印刷したのが数時間前と、かなりバタバタとした格好になってしまった。別のレポートもその日に書いて出したし、電車も駆け込み状態だった。

形にこだわりすぎるのが僕の悪い癖で、上のインデックスやポスター作りなどの方法を長時間考えてしまって、内容と向き合う時間が短い。あとは他の用事を際限なく入れたり、帰る時間も決めずにダラダラしたり。現実逃避してるんだろうなあ。

決めたことをやるということが、高校を卒業して5年間で最も出来なくなったことだと思う。中退から始まって、欠席したりレポート出さなかったりすることが許されているうちに増えてきた。今や待ち合わせにしっかり間に合うことも珍しい。僕が自由から獲得したものは、その甘い部分だけに留まっている。

そういう意味で、ポスターを最終的に仕上げたことは、不満足ながらも大きな達成だ。見に来た人の質問で、内容に対する僕の理解度だけでなく、達成したそのことも自分で確認することができた。この経験を連鎖的に次へ繋げたい。

課題は多くあるが、まずは集中力だろう。あれこれ意識を散らしていては、瞬発力で疲れることはなくても結局寝る時間がなくなってしまう。実際、疲れがきっかけで体内の菌にやられてしまったらしく、出発日の夜中から1日目までダウンしてしまった。

どうやったら集中力をつけるかがまだわからないが、まずはいつものように形から入ろうか。足を投げ出すような椅子の座り方から背筋を伸ばしてみた。少し力が入った気がする。あとは規則正しい生活。ちゃんと夜に寝よう。そんなこと言ってる間に日付が変わってしまった・・・画面を閉じて帰ることにする。

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